その一言で救われた。吃音のある大学生活・バイト編2
こんにちは!
吃音症ブログ「吃音のある生活。」です!
前回に引き続き、連載「吃音のある大学生活。」です
〜〜 前回までのあらすじ 〜〜
大学に無事入学したはいいものの、吃音を気にするあまり
大学での友達は作れず、サークルも入らず、
家でゲーム三昧、完全に廃人となる。
意を決して始めたバイトは3ヶ月あまりでクビになり、
全てから逃げたくなりヨーロッパを放浪し、
旅の道中、人生における「大切な人」と出会う。
帰国後すぐバイトへ申し込み、採用。
激動の大学一年生が終わり、2年生へ。
新しいバイト先ではまた吃り、みんなの笑いの的に。
またやめてしまうのか。
というところから始まります。
それではいきましょう!
その一言で救われた!吃音のある大学生活・バイト編2
我慢しきれずボロ泣き
相変わらずバイト先では苦戦していました。
僕が担当しているのはイタリアンレストランのキッチン。
「話さない仕事」と「話す仕事」があるわけです。
皿洗い、シルバー並べ、盛り付けなど。
「話さない仕事」は難なくできました。
問題は「話す仕事」です。
キッチンというとあまり話さないイメージですが、そんなことは無く
注文が入った料理名をみんなに伝えないといけないし、
何か問題が起きると、料理長や社員さんに伝え対応しなければなりません。
遅いですが、その時痛感しました。
「この世に話さない仕事なんてないんだ。」と。
もちろん工場など作業が中心の仕事について
仕事仲間とも一切話さなければ、成立するでしょうが、
人がいるところで働く限り、話さない仕事なんて皆無に等しいですし、
やはり、吃音というものがあっても
そんな人生、嫌だと思っちゃう。
「みんなと仲良く話したい。」
そう願っても現実は、そうはいきません。
「早く話してくれない?」
「何でそんなゴモゴモ話すん?」
「コミュ障かよw」
みんなの悪気はないであろう一言一言が
次第に僕を追い詰めていきました。
いや、悪気があって言ってるなら、より良い。
相手が「完全悪」なら、こっちの行動も変わってくるから。
しかし、接していると「完全悪」ではない人ばかりです。
自分が吃っても、待ってくれたり、なにも無かったように振る舞ったり。
そう、「完全悪」は、世界でもない、みんなでもない。
自分の中にある吃音症なのです。
ある時、バイト中に思い詰めて、泣いてしまいました。
周りから何か言われたわけでもなく
何か嫌な出来事があったわけでもありません。
自分のメンタルが先に限界にきてしまいました。
みんなが心配してくれましたが、それでも満たされない現実に、
どう生きれば良いのか分からない怖さに
泣き続けるしかできませんでした。
料理長の一言で救われた。
キッチンでの仕事を8割くらい覚え、何も言われずとも
自分で何をやるのかわかるくらい仕事が出来始めていました。
うまく話せないにしても、みんなからは
「少し話すのが下手なやつ」だと思われてたくらいだと思います。
そんな矢先、精神的に限界がきて、泣いてしまい
バイト先に迷惑をかけてしまったのです。
また。
またやってしまった。
案の定、後日、料理長から呼ばれました。
「ちょい、ちょっとこい。」
お店は夕方のオープンに向けて準備の真っただ中。
ホールは掃除や今日の予約の確認作業、
キッチンは、盛り込みや発注に追われています。
料理長と話したのは二階の静かな物置。
2人とも席につくと早速本題に入られました。
「この間、仕事中、泣いてたって聞いたけど本当?」
「・・・はい。すいません。」
「何かあったの?」
「いえ、と。特には、そんな。」
「・・・・」
「・・・・」
「店長から聞いた話、あまりうまく話せないんだっけ?」
「・・・はい。そんな感じですね。」
「それが原因?」
「・・・・」
「・・・・」
「本当にすすすすいませんでした。皆は悪くないし、良い人です。」
「ねえ。」
「・・・はい」
「俺にはその病気かなんか知らんけどさ。」
「・・・・」
「なんかあったら相談してな。そのために一緒に働いとるんやからさ笑
もう、君はさ。俺たちの一員なんやからさ」
変わったのは社会でもなく自分。
料理長「料理いっぱい入っとるで!大丈夫か!」
僕 「ん〜!厳しいですね!少しだけ入ってもらえますか!?」
料理長「了解!わかった!ちょっと待っててな!」
僕 「バケット3!カルパ1!OOさん!ペペロンチーノもう始めてください!」
それから半年後、僕はそのまま辞めず
そのイタリアンレストランで働いていました。
「話さない作業」は前より早く出来て、
周りとの関係もより良くなって一緒に飲みにいく関係になり
「話す作業」はできるようになりました。
もちろん吃音は克服できたわけではありません。
でも、キッチンでの仕事はできるのです。
今までの「できないこと」が「できること」になったのです。
少しだけわかったことがあります。
昔は、社会のせいにしていました。
吃音のある僕をバカにするみんなが悪い、吃音を知らない人がいるせいで
僕が嫌な思いをするんだ。
社会が悪い。
今それが壊れ、自分の人生が変わったのは
自分の人生に色がつき始めたのは、何ででしょうか。
それは多分、自分が変わったかもしれません。
社会でもなく、周りでもなく。
今、僕はこのお店で働いてるんだ。
そう思えるようになった瞬間、
初めて
生まれて初めて
吃音症と向き合うことができたと思います。
真正面から。